ヒビノコト

「アメノイエの住人」雨野紡が日々の暮らしを綴る日記です。
家の中での過ごし方や産地での出会いをこちらでご紹介します。

月兎印 アメノイエ

琺瑯の白、春の明るさを映し出す

どこか懐かしさを感じる琺瑯。先日、春の陽気に誘われてお出かけをした際、アンティークショップの古びた棚の奥にひっそりと佇む琺瑯の調理道具が目に留まりました。長い年月を経ても、その耐久性の高さが感じられ、年季の入った風合いがまるで時間を超えて優しく語りかけてくるようでした。その瞬間、手に馴染む琺瑯は使ってこそ魅力が増すのだと気づき、味わいのある風合いを育てたいとおもうように。 探しているうちに出会ったのが、株式会社フジイのオリジナルブランド「月兎印」。1950年に誕生した老舗ブランドです。

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木村硝子店 アメノイエ

自由な一杯を、好きなままに

少し前からナチュラルワインにすっかり魅了されている私。家でも嗜みたくて木村硝子のワイングラスを新調して以来、さまざまなシーンで活用しています。 木村硝子店は、創業100年を超える老舗。創業当初から、洗練された普遍的な美しさを感じさせる製品をつくり続けています。今回は、その中でも国内でハンドメイドで制作されたグラスたちをご紹介します。

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山一 中華せいろ アメノイエ 

せいろで、蒸し料理習慣

無水鍋と一緒に、山一の「中華せいろ」を使って蒸し料理をつくってみました。最初は少しハードルが高いかなと思っていたせいろですが、実際に使ってみると驚くほど手間いらず。好きな食材をいれて、タイマーさえかけておけば他の調理にも集中できます。油跳ねなどが無いのでキッチンが汚れることもなく、可愛らしい見た目はそのまま食卓の主役にもなり、洗いものも少なく済むので大変助かりました。

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8役こなす、多機能無水鍋

8役こなす、多機能無水鍋

この前の休日、神楽坂は久しぶりの雨。遅めに目を覚ますと、雪とも霙ともつかない曖昧な空模様。窓の外をしばらく眺め、静かに響く雨音に耳を澄ませているうちに、自然と心は家でのんびり過ごす気分になっていきました。以前スーパーで新ジャガイモと新玉ねぎを見かけ、思わず買い物かごに入れたことを思い出し、せっかくなので、今日はこの食材たちを食卓に。 ちょうど最近購入した無水鍋を開封するいい機会だとおもい、早速お昼ご飯の準備に取り掛かりました。

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Sharpening four 癶(HATSU)戸谷 祐次

はじまりを魅せる包丁

最近は日が少しずつ長くなり、柔らかな夕陽に心がほぐれますね。本日は、かねてよりお願いしておりました福井県越前市の伝統工芸士・戸谷祐次さんの三徳包丁とペティナイフ(巴刃)が届きました。 早速うっすらと夕方の光が残る台所に立ち、少し早めに夕食の準備を始めると、時間がゆっくりと流れているようで、ふと童心に戻るような気持ちになります。戸谷さんが大切にされているという、「現代の生活に馴染むミニマルで静かなたたずまい」「越前打刃物ならではの軽やかさ」「どんな料理にも寄り添う使いやすさ」。江口海里さんが担当されたデザインは素朴なつくりで手にしっくりと馴染み、どんな食材もスッと切れる心地よさには、基本の包丁として長く寄り添ってほしいという想いが感じられます。

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南窯 アメノイエ

待ち遠しい春を前に、淡い色彩を

最近は身体が寒さにも慣れ、外に出ると冬晴れの空に心が躍り清々しい気持ちになりますね。 そんな晴れやかな明るい時間の食卓には、つい色鮮やかな器を選びがちです。窓から差し込む木漏れ日があたたかく、どこか春を先取りしたくなる私がいるのかもしれません。 この今の気分にぴったりなのが、南窯で作陶されている「工藤工」さんの作品。可愛らしく綺麗な濃淡は眺めているだけでも楽しく、、まるで生きて動いているような優しい輝きを放っています。色のコントラストが食材の魅力を引き立てるだけでなく、自然が生み出す鮮やかな色味が心に元気を与えてくれます。 器に触れた瞬間に感じる朗らかさは、工さんの明るいエネルギーや精巧な技術がそのまま作品に宿っているからなのだと思います。

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kibn アメノイエ

自然の香りに包まれて、一呼吸

依然として寒さが厳しく、体調管理に気を遣う油断できない時期が続きますね。寒い日が続くとどうしても身体に力が入り、無意識のうちに縮こまってしまいがちです。 そんなときこそ、自分なりのリラックスするスイッチを見つけることが大切だと感じています。 私は、帰宅後にまずkibnで手を洗い、深く呼吸をするように気持ちを切り替えてリラックスタイムへと切り替えています。手洗いは、今ではウイルス対策として欠かせない習慣ですが、せっかくなら香りや成分にもこだわって心が和らぐアイテムを取り入れ、癒しの時間にしたいものです。

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JINSUI 人水 アメノイエ

空間になじむJINSUIでちいさなひとときを

中世から現在まで続く六古窯の中で、最も長い歴史を目指して常滑。その常滑で100年以上生産を続けている窯元が「人水」です。 常滑市は急須の生産日本一として知られ、その緻密な技術を誇ります。「人水」の急須は一つ一つ手作業で作る伝統的な技法を守りながらも、現代のライフスタイルに合わせます洗練されたデザインが特徴で、どんなシーンにも取り入れやすいです。 「人水」は、江戸時代の1800年頃に釜屋として創業。現在の当主である渡邉さんの祖父の代からは、陶器の製造から急須作りへと転換されました。急須をより魅力的なものにし、多くの人々にその魅力を伝えたいという思いで制作に取り組んでいます。

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カネダイ陶器×アメノイエ

寒い冬の味方、ほったらかしで素材を活かす

年が明け、早くも1月が終わろうとしています。先日1月7日の朝食には、おろしたての行平鍋の目止めもかねて、七草粥をいただき一年の無病息災を願いました。春の七草を刻んで炊き上げたお粥は、シンプルながらも体を優しく包み込む味わいです。お正月のご馳走で少し疲れた胃を整え、心もリセットできるこの習慣がとても好きです。カネダイ陶器さんの行平鍋は、お粥以外にも使用でき、特にこの季節に役立ってくれます。まだまだ寒さが続きますが、季節の食材を楽しみながら、心も体も健やかに過ごしていきましょう。

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遊びごごろのある木のぬくもりを

遊びごごろのある木のぬくもりを

朝食の時間には必ずと言って良いほど登場する、渡邊浩幸さんの作品。ひとつひとつ丁寧に手で彫られた木のぬくもりを感じる渡邊浩幸さんのトレー。 小料理を複数盛り付けたりパンをその場でカットしてそのまま食べたりと、実用性がありながら自然が生み出した美しさや、さらっとした木肌の手触りに気品さも兼ね備えています。天然木のみを使用し、異なる木材を組み合わせて模様を作り出す寄木細工でできており、その時にしか出せない線や木の風合いを大切にしているといいます。 使い手に寄り添い普通の日常を特別にしてくれる、そんな想像力豊かな渡邊さんの職人としての技術と想いが伝わる作品だからこそ、こちらの気持ちを汲み取ってくれているような、どこかほっとする作品です。

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カネダイ陶器×アメノイエ

伊賀の魅力と家族の絆が投影された土鍋

バタバタとしているうちに、今年も残りわずか。今年一年を振り返り来年の目標を立てたり、部屋の大掃除やお正月の準備をしたりと、駆け抜けてきた日々の中で一度立ち止まり、自分自身や身の回りの環境にじっくり向き合う時期です。特に年末年始の食卓は、家族や友達、パートナーと今年の出来事を分かち合い、心おきなく素直になれる尊い空間。そんなこの季節に、大活躍してくれるのがお鍋です。

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