Wormhole Furniture
引っ越しを機に新しい家具を探していた際にお世話になった「Wormhole Furniture」の牛丸さん。
先日、久しぶりにお伺いし、今回は部屋に飾るものや、新しく迎えたい照明についてじっくりと相談させていただきました。
変わらぬ穏やかな空気と、迎え入れてくれる空間の美しさに、改めて胸が高鳴りました。
たくさんのヴィンテージ品を前に、昔の人はこれを何に使っていたのだろう、これはこの時代だからこそ生まれた美しさの感覚なのだろうなと、思わず想いを馳せるような時間でした。
家具そのものの魅力はもちろんですが、牛丸さんからは「空間全体でどう魅せるか」という視点でも多くの学びがありました。
配置の仕方、素材の重ね方、光の入り方。
どれも、日々の暮らしを豊かにするヒントにあふれています。
帰宅してから早速、お家に新しい小物を迎え、スタイリングを楽しむことに。
デスクランプ
無駄を削ぎ落とした機能美が、凛とした静けさをまとう一台。
1940年代ドイツ製、バウハウスの思想が色濃く息づくスタンドランプ「kandem(カンデム)」のヴィンテージです。
当時の工業デザインにみられる無機質で実用性重視のフォルムは、どこか清々しく、
ボウル状のシェードは角度調節ができて、必要な場所にやわらかな光を届けてくれます。
深みのあるオリーブグリーンの色合いは、時の流れが生み出した風合いそのもの。
重厚さと静謐さを併せ持ち、空間に凛とした空気を添えてくれる一台です。
新しいデスクランプも機能豊富で魅力的なものが数多くありますが、
なかなか「これだ」という出会いはなく、こちらを見つけた瞬間に心がときめきました。
在宅で原稿を書く日々のなか、以前はとりあえずのランプを使っていましたが、
お気に入りのこのランプがそばにあるだけで、仕事の手も軽やかに進みそうな気がしています。
ペンダントランプ
気に入るペンダントランプがなかなか見つからず、しばらくは裸電球のままだった場所に、ようやくしっくりとくる一灯がやってきました。
100年以上の歴史を紡ぐ照明メーカー、Holophane(ホロフェーン)社製のペンダントランプ。
繊細なプリズムガラスを通る光は、柔らかさのなかに凛とした静けさをまとい、ゆるやかに空間に広がっていきます。
ガラスは透明感が高く、圧迫感を感じさせないのも大きな魅力。
キッチンの一角、食器棚とのあいだに飾り、日々の暮らしの風景にすっと溶け込んでいます。
機能性と美しさを併せ持つ特徴的なシェードは、光をやわらかく拡散しながら眩しさを抑え、手元やその場の空気を心地よく照らしてくれます。
静かな時間が流れる場所に吊るせば、やさしい光のリズムが生まれ、日々のささやかな営みに寄り添ってくれるようです。
スタンドランプ
どこに置くかはまだ決めていませんが、その美しさに心を奪われ、連れて帰ったトラバーチンの石のスタンドランプ。
自然が長い時間をかけて紡ぎだした石の造形と、1960年代フランスで生まれた静かな佇まいが見事に調和しています。
淡くやわらかなベージュの色合いに、石ならではの表情豊かな縞模様が織りなす景色。
シンプルながらも確かな存在感をもち、灯りをともせば空間にあたたかさと奥行きを添えてくれます。
棚の上やベッドサイドなど、さまざまな場所に置いてみて、
暮らしの中でいちばん心地よい居場所を見つけたいと思っています。
このほかにも、手ざわりや佇まいに時の重なりを感じるバスケットやオブジェ、陶器のフラワーベースなど、静かに語りかけるような存在たちをたくさん迎えました。
それぞれが長い年月を経てきたからこそ持つ、唯一無二の表情やぬくもり。
新品にはない不完全さや風合いが、暮らしに奥行きのある静けさと深みをもたらしてくれます。
これからも、定期的に牛丸さんにスタイリングのアドバイスをいただきながら、少しずつ模様替えを楽しんでいけたらと思っています。
好きなものに囲まれて過ごす毎日は、やっぱり心地よいものですね。
日々の暮らしに、ヴィンテージのアイテムを少し取り入れてみるのもおすすめです。