“ちょうどいい”をかたちに
早いもので、気づけばもう7月。
日差しは日に日に鋭さを増し、駅まで歩くだけで汗ばむような日が続いています。
外の暑さにぐったりしながらも、エアコンのきいた部屋で冷たいお茶を飲むひとときや、夕方になって少しだけ涼しくなる空気に、ふっと癒されるこの季節。
暑さに少し疲れてしまう分、家で過ごす何気ない時間のありがたさが、いつも以上に身にしみるような気がします。
そんな7月のはじめ。「marais/マレ」の器に新しく中サイズが仲間入りしました。
目立ちすぎず、でも確かにそこにある、そんな静けさをまとったこのシリーズ。
これまでは、取り皿としてちょうどよい小サイズと、ワンプレートとしても使える大サイズの2種類を愛用していましたが、実はずっと、「この2つのあいだのサイズがあればいいのに」と感じていたのです。
>山源陶苑×アメノイエ「marais/マレ」の紹介はこちらから
marais lunch plate
「marais/マレ」は、これまで小サイズと大サイズの2種類を、山源陶苑さんに制作していただいていました。
小は、副菜やお菓子などを少しだけ盛るのにぴったりな取り皿サイズ。
一方の大は、パスタやワンプレートごはんなど、しっかり盛りつけたい料理にちょうどいいサイズです。
でも、日々の食卓のなかでふと、「この中間のサイズがほしいな」と思うことがあって。
小では少し物足りず、大では少し余ってしまう。
そんな“中くらいの器”がほしくなる場面は、思いのほか多かったのです。
たとえば、カットした果物を盛るときや、2〜3人でつまむおかずを並べるとき。
ちょっとしたサラダや、トッピングをいろいろのせた朝ごはんのプレートなどにも。
大きすぎず、小さすぎず。
控えめな存在感はそのままに、用途の幅がもう少し広がるサイズがあったら。
そんな思いから、この中サイズが生まれました。
山源陶苑さんから「ちょうどいいサイズ感ですよ!」とご連絡をいただき、実際に手に取ってみた瞬間、思わず納得。
いつもの料理にすっとなじむ感覚に、「やっぱり、これだったんだな」と思えたのでした。
鮮やかな旋律を奏でるうつわ
ちょうど週末、パートナーとタコスパーティーを開きました。
とうもろこしのトルティーヤに、スパイスを効かせたチキンやアボカド、トマト、ハラペーニョ、パクチー、ライム。
色鮮やかな具材を器に並べて、それぞれの手でくるくる巻きながら味わう、夏らしく賑やかなひとときになりました。
スパイスやハーブをふんだんに使った料理は、見た目が鮮やかで楽しい反面、器との相性が難しいこともあります。
ですが、このmaraisの中サイズは、カラフルな食材をしっかり受け止めつつ、どこか落ち着いた印象にまとめてくれる不思議な存在感がありました。
淡くくすんだ色合いが料理の色みを美しく引き立て、どこか異国の空気も漂わせるような、そんな余白のある器だと感じています。
美しさと機能が寄り添うかたち
中サイズは、やや浅めのフォルムながらも広がりのあるデザインで、とても使いやすいです。
タコスの具材のように少し汁気のあるものも安心して盛れますし、サラダやカットフルーツ、サンドイッチなどをのせるのにもぴったりのサイズ感。
朝昼晩、どんなタイミングでも自然と手が伸びてしまいます。
しかも、電子レンジ・オーブン・食洗機すべてに対応。
見た目は繊細ですが、使ってみるととても頼もしく、忙しい日常の中でも気負わず使えるのが嬉しいところです。
各サイズでのスタッキングもきれいにできるため、収納面でも助かります。
日常のなかに無理なくすっと入り込み、気づけばその風景の一部になっている。
そんな器の理想を、このmaraisシリーズは静かに叶えてくれている気がします。
気がつくと選んでいる、頼れる一枚
器そのものに大きな主張はないけれど、不思議と食卓の空気が整うような気がするのが、maraisの好きなところ。
名前の「marais(マレ)」は、フランス語で「湿地」や「沼地」の意味。
湿った土の色、曇り空のようなやさしいグレー、木陰の静けさ、そんな自然の一瞬を切り取ったような、曖昧で繊細な色合いが魅力です。
暑さのなかで、気持ちだけでも少しだけ涼やかに。
食卓の中に、風が通り抜けるような感覚をもたらしてくれる。そんな器に、わたしは毎日のように助けられています。
これからまた季節が巡り、食卓の風景も少しずつ変わっていくなかで
そっと寄り添い、使うたびに「気軽で使いやすい」と思わせてくれる。
そんな器として、このmaraisの中サイズもきっと大切な存在になっていく気がしています。
今日もまた、自然とこの器に手が伸びてしまうのです。