ヒビノコト

「アメノイエの住人」雨野紡が日々の暮らしを綴る日記です。
家の中での過ごし方や産地での出会いをこちらでご紹介します。

ヒビノコト

“ちょうどいい”をかたちに

“ちょうどいい”をかたちに

早いもので、気づけばもう7月。日差しは日に日に鋭さを増し、駅まで歩くだけで汗ばむような日が続いています。外の暑さにぐったりしながらも、エアコンのきいた部屋で冷たいお茶を飲むひとときや、夕方になって少しだけ涼しくなる空気に、ふっと癒されるこの季節。暑さに少し疲れてしまう分、家で過ごす何気ない時間のありがたさが、いつも以上に身にしみるような気がします。 そんな7月のはじめ。「marais/マレ」の器に新しく中サイズが仲間入りしました。目立ちすぎず、でも確かにそこにある、そんな静けさをまとったこのシリーズ。

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宮本工芸 アメノイエ

手しごとが紡ぐ、初夏のやさしい時間

先日、街を歩いていて、涼やかなかごバッグを手にした人に目を奪われました。その姿がなんとも素敵で、家に帰ってから「どこのかごなんだろう」と調べていたときに出会ったのが、青森・弘前の「宮本工芸」でした。 天然の蔓を使い、昔ながらの製法で編み上げられたかご。それはただのバッグではなく、使う人の暮らしに静かに寄り添う、やさしい道具のようでした。 宮本工芸の魅力は、かごバッグだけにとどまりません。リビングやキッチン、玄関まわりなど、家のあちこちでそっと役立つ小さなかごたち。お気に入りのクロスを丸めて入れたり、収納用のカゴとして使ったり、インテリアとして暮らしに取り入れる楽しさが詰まっています。

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嘉泉窯 224porcelain

涼やかなうつわとともに、夏を迎える

梅雨が明けると同時に、夏の陽射しがいよいよ本気を出してきました。冷房に頼りきるのではなく、涼しげなうつわを通して季節の移ろいを感じたくなります。 この夏、私の食卓に新たに仲間入りしたのは、長崎と佐賀、それぞれの地で作られたうつわたち。まったく異なる表情を持ちながら、どこか共通して涼しさを感じさせてくれる不思議な存在感があります。 どちらも、佐賀県唐津市を拠点に活躍する陶芸家・岡晋吾さん監修の作品。とろりとした釉薬の質感、機能的で使いやすいフォルム、そして古陶を思わせるやわらかな風合いが、食卓にすっと馴染みます。

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余白をたのしむ、ヴィンテージとの暮らし

余白をたのしむ、ヴィンテージとの暮らし

引っ越しを機に新しい家具を探していた際にお世話になった「wormholefurniture」の牛丸さん。先日、久しぶりにお伺いし、今回は部屋に飾るものや、新しく迎えたい照明についてじっくりと相談させていただきました。変わらぬ穏やかな空気と、迎え入れてくれる空間の美しさに、改めて胸が高鳴りました。たくさんのヴィンテージ品を前に、昔の人はこれを何に使っていたのだろう、これはこの時代だからこそ生まれた美しさの感覚なのだろうなと、思わず想いを馳せるような時間でした。

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日々慌ただしい父へ、丁寧なコーヒー時間を贈る

日々慌ただしい父へ、丁寧なコーヒー時間を贈る

6月15日は父の日。 梅雨の気配が漂いはじめるころ、ふと、父の背中を思い出します。晴れ間の恋しいこの季節にやってくる父の日は、どこか落ち着いた静けさと、感謝の気持ちがじんわりと染みわたるような、そんな特別な1日です。 毎年、何を贈ろうかと悩むけれど、今年はひとつのアイデアが浮かびました。 コーヒー好きの父に「時間を贈る」のはどうだろう? そんな思いから、お父さんの過ごし方を思い浮かべながら、いくつかのシーンを想像してみました。

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「使い方いろいろ」そば猪口で広がる食卓の彩り

「使い方いろいろ」そば猪口で広がる食卓の彩り

夏めき始めた五月後半。まだ本格的な夏というほどではないものの、少しずつ暑さを感じるようになると、さっぱりとしたものが無性に恋しくなってきます。 そんな折、冷たいざる蕎麦が無性に食べたくなりました。薬味をたっぷりのせて、冷たいつゆにくぐらせていただく一口は、体にも心にもじんわりと染み渡るようで、自然とその味わいが思い浮かびます。お蕎麦を想像をしていると、家に「これぞ」というそば猪口がないことに気づき、探してみることにしました。

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家と外で愉しむ、南風工藝の竹細工

家と外で愉しむ、南風工藝の竹細工

暑さすら感じるほどに暖かくなってきたこの頃。木々はやわらかな緑をまとい、風は冬の重たさを脱ぎ捨てたように軽やかです。 新緑がまぶしい季節になると、外の空気を吸いたくなりますね。 先日、心地よい陽ざしに誘われて、ピクニックに出かけました。春の日差しの中でのんびりと過ごすひとときは、季節の移ろいを肌で感じる瞬間です。せっかくの時間だからこそ、パンや果物、ちょっとしたお菓子や冷たい飲み物を詰めて、丁寧に準備を。そんなとき、ふと手に取りたくなるのが、南風工藝のバスケットです。

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AJI PROJECT アメノイエ

空間に、澄んだ風を届ける石のかたち

まだら模様が印象的な庵治石を使ったこちらのブックエンド「ROCK END」。自然のままの岩の表情と、丁寧に磨かれた真っ直ぐな断面とのコントラストが、なんとも印象的です。 このプロダクトは、庵治石(あじいし)を使用した美しいデザインインテリアブランド「AJI PROJECT」によるもの。庵治石とは、香川県高松市の牟礼町と庵治町にまたがる五剣山の岩壁から採掘される、高級な花崗岩のことです。その魅力をより多くの人に届けたいという思いから、2012年に地元の石工職人13名と商工会の有志によりブランドが立ち上げられました。

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惜春の香りとともに、新茶で初夏を迎える準備を

惜春の香りとともに、新茶で初夏を迎える準備を

春もいよいよ後半に差し掛かり、桜はいつの間にか緑に包まれ、若葉が鮮やかな緑色に輝く新緑の季節がやってきました。そして、この時季は新茶の季節でもあります。 新茶の摘み取りが最盛期を迎え、柔らかな新芽が香り高い一番茶を生み出すタイミング。春の温かな陽光が茶葉の成長を促し、まさに風味が最も引き立つ瞬間です。特に、八十八夜が新茶のピークを迎えると言われています。 そこで今年は、新茶を楽しむために神楽坂の名店を訪れることに。新茶の予約ができるお店に足を運び、季節の和菓子も一緒に購入し、家にあるとっておきの器とともに、春の余韻をゆっくりと楽しみたいと思います。

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想いを込めて選ぶ、母の日の贈りもの

想いを込めて選ぶ、母の日の贈りもの

「ありがとう」を伝えるきっかけをくれる、母の日。日頃の感謝の気持ちを、言葉とともに何かかたちにして届けたくなります。せっかく贈るなら、自分が「これだ」と思えるものを選びたい。だからこそ、できるだけ時間をかけて心から納得できるものを見つけたいです。毎日の家事を少しでも心地よくしてくれるようなものや、見た目も美しく使うたびに気分が上がるような、“ちいさな煌めき”を秘めたアイテムたち。今回は、私が母の日のプレゼントとして選びたい贈り物をいくつかご紹介します。

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