AJI PROJECT アメノイエ

空間に、澄んだ風を届ける石のかたち

AJI PROJECT

まだら模様が印象的な庵治石を使ったこちらのブックエンド「ROCK END」
自然のままの岩の表情と、丁寧に磨かれた真っ直ぐな断面とのコントラストが、なんとも印象的です。

このプロダクトは、庵治石(あじいし)を使用した美しいデザインインテリアブランド「AJI PROJECT」によるもの。
庵治石とは、香川県高松市の牟礼町と庵治町にまたがる五剣山の岩壁から採掘される、高級な花崗岩のことです。
その魅力をより多くの人に届けたいという思いから、2012年に地元の石工職人13名と商工会の有志によりブランドが立ち上げられました。

庵治石は、400年以上にわたり伝統的に建材や石像に用いられてきた歴史ある石材。
AJI PROJECTでは、その自然な形と質感を活かしながら、現代の暮らしに寄り添うデザインへと昇華させています。

石工は、日本において寺社建築や日本庭園で重要な役割を果たしてきた、伝統に根ざした職人。
そんな産地に受け継がれた技が息づく佇まいは、静けさの中にもしっかりとした存在感を放っていますね。

 

粒子の違いが織り成す豊かな風合い

庵治石に含まれる鉱物は結晶が小さく、その粒の大きさによって「細目(こまめ)」と「中目(ちゅうめ)」に分類されます。
また、鉄分を多く含んだ茶系色のものは、産地で「サビ石」と呼ばれています。

左下の細目はきめ細やかな地肌が特徴で、丁寧に研磨すると二重のかすり模様のような美しい表情が現れます。
右下の中目は庵治石の主成分のひとつである黒雲母の粒が小さく、細目に比べてやや白く見えるのが特徴です。
中央上のサビ石は、古くから庭園用として使われてきましたが、近年では建築用材としても注目されているそうです。
茶系の「サビ色」からその名が付き、時を重ねることでより深みを増し、自然肌の美しさが癒しの効果をもたらしてくれるというので驚きです。

こちらのペーパーウェイトは、丸みを帯びたフォルムと、手に触れるとひんやりとした優しい質感が、控えめながらも不思議と深い味わいを感じさせます。
ペーパーウェイトとしてだけでなく、本の上や棚の上にオブジェのように飾れば、空間とのささやかな会話が生まれるようです。

 

優美で堅固な庵治石

庵治石は花崗岩の一種ですが、きめ細やかな結晶の美しさから「花崗岩のダイヤモンド」とも呼ばれているそうです。

また、庵治石は硬度が高く、風化にも強いのが特徴。
細かな結晶の結びつきが強いため、他の石では真似できないような繊細な細工を施すことができるといいます。

こちらのロックエンドは、その特性を活かし、一つの石を二つに割ったデザイン。
本に接する面は、本を傷めないように磨きの加工をし、底面には滑り止めとして目立たないクリアゴムが取り付けられ、機能性も兼ね備えています。

お家にあるヴィンテージ家具とも相性が良く、こっくりとした黒の棚が石の質感や重厚感を一層引き立てます。
モダンな雰囲気を演出し、和洋を問わず上品なアクセントを加えてくれますね。

 

どんな空間にも自然に馴染むフォルム

AJI PROJECTの商品は、庵治石の素材感を大切にし、石の居場所を考えながら開発を心がけているそうです。
一見異質なようで、まるで昔からそこにあったかのように不思議とさまざまな空間に自然と溶け込んでくれます。

石と木を組み合わせたロールペーパースタンドは、石を土台にすることで重心が安定し、紙を引き出しても倒れにくい構造。

私の家では、トイレットペーパーホルダーとして使用していますが、キッチンペーパーホルダーとしても活用できます。
まさに、空間に馴染み、用の美を体現しているような佇まいです。

 

キューブ型のコンパクトな傘立ては、上部に傘を差し込むための小さな穴、底面には排水のための細やかな穴が開けられ、シンプルでありながらも心惹かれるデザイン。
ミニマルな形状と程よい重みが傘をしっかりと支え、これからの梅雨の時季に活躍する場面が増えそうです。

 

こちらは、石と麻縄の組み合わせが特徴的なドアストッパー
 円筒形に削り出した3本の庵治石を麻縄で束ねており、麻縄は石を束ねるだけでなく持ち手として、また床との緩衝材としても機能しています。
自然素材をシンプルにまとめたフォルムが可愛らしく、使用中も目を引くインテリアのポイントになります。

 

空間に、澄んだ風を届ける石のかたち

庵治石の産地は石の産業が栄えた地として歴史が長く、職人たちの高い技術でも知られています。
ここでは、割る、掘る、磨くなど、各専門の職人が分業制で作業を行っています。
それぞれの職人が得意な技を活かし、採石から加工までの工程を一つ一つ経て、ひとつの商品が生み出されているそうです。

大地が育んだエネルギーを放つ石という自然の素材を扱う中で、庵治石ならではの風合いを活かし、繊細で卓越したクオリティを誇るAJI PROJECTのアイテムたち。 
部屋のどこに飾ろうかと考える時間も、最近の愉しみの一つです。

GW明けで、なんとなく慌ただしい日々が続きがちなこの頃。
皆さんもAJI PROJECT を通じて空間に澄んだ空気と落ち着きを取り入れ、気分をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。