家と外で愉しむ、南風工藝の竹細工

家と外で愉しむ、南風工藝の竹細工

南風工藝

暑さすら感じるほどに暖かくなってきたこの頃。
木々はやわらかな緑をまとい、風は冬の重たさを脱ぎ捨てたように軽やかです。

新緑がまぶしい季節になると、外の空気を吸いたくなりますね。

先日、心地よい陽ざしに誘われて、ピクニックに出かけました。
春の日差しの中でのんびりと過ごすひとときは、季節の移ろいを肌で感じる瞬間です。
せっかくの時間だからこそ、パンや果物、ちょっとしたお菓子や冷たい飲み物を詰めて、丁寧に準備を。
そんなとき、ふと手に取りたくなるのが、南風工藝のバスケットです。 

 

バスケットフタ付 大

南風工藝は、1979年に大分県別府市で創業した竹の総合商社。
竹細工の一大産地として知られる別府の地で、素材の調達から製造・販売までを一貫して自社で行ってきました。

山の管理や作家への材料供給まで担う体制は、他の産地にはあまり見られない希少な取り組みです。
このような一貫した体制が、品質の高い製品に対する信頼感を生み出し、安心感につながっているのだと実感し、私は南風工藝の製品をお家にお迎えすることにしました。

また、南風工藝の製品は、単なる竹細工にとどまらず、「創作竹藝」としての一面も持ち合わせています。
竹の持続可能な利用に力を入れつつ、職人の手によって現代的なデザインと伝統的な技術が見事に融合している点は、長く愛用できる理由として特に印象的です。

現在は、その地に根ざした職人技術と美意識を受け継ぎながら、緑豊かな自然と資源豊富な海に囲まれた大分県日出町に拠点を移し、良質な竹を使った製造を行っています。

 

バスケットフタ付大は、そんな地元の文化や風土がにじむからこそ生まれる、素朴で、どこか懐かしい佇まい。
それは、長くその土地に息づいてきた手仕事だからこその風情でもあります。

竹そのものの表情を活かした、控えめで静かな存在感に、思わず心を奪われました。

ふと目を留めると、細い竹ヒゴと太い竹ヒゴが巧みに組み合わされ、細やかな手仕事の美しさが際立ちます。
繊細に整えられた編み模様からは、職人の手仕事ならではの丁寧さと温もりがしっかりと伝わってきますね。

 

ピクニックバスケット 小

竹ならではの、ほんのりとした光沢とやさしい風合いが魅力のピクニックバスケット小

艶やかで滑らかな部分と、自然なざらつきが混ざり合う竹の質感に触れると、まるで自然そのものを手にしているような感覚に。
素材が持つ息づかいを、そっと暮らしの中で感じられる逸品です。

気負わず使えるその軽やかさから、最近では公園でゆっくり過ごす午後や近所のスーパーへふらりと出かけるような日にも、出番が増えてきました。

 

しなやかで、強く、美しい

竹は、驚くほど成長が早く、持続可能なエコ素材として知られています。
軽量でお手入れもしやすい一方で一本一本に個性や弾力があるため、加工には高い技術と根気が必要になるといいます。

そうして丁寧に仕上げられた竹製品は、丈夫で長く使える耐久性を備え、使い込むほどに飴色へと深まる美しさも、持つよろこびのひとつです。
しなやかで強く、時を重ねるごとに風合いを増す竹は、実用性と意匠性を兼ね備え、ただの「道具」にとどまらず、心を和ませる体験へとつながっていくように思います。

 

使う場所を選ばない、小さな収納

フタ付バスケットよりひと回り小ぶりで、収納するものを選ばないバスケット。

ピクニックなどのアウトドアシーンだけでなく、室内ではファブリックを入れてインテリアとして使うなど、幅広い場面で活躍してくれます。

持ち手付きで持ち運びも簡単。
収納したままさっと移動できるため、掃除や片付けもスムーズです。

 

普段使いはもちろん、特別な日のおもてなしにも。
お客様をお迎えする際の、ちょっとしたお茶の時間には「お茶セット」として使うことで、篭の機能性と美しさがより一層引き立ちます。

適度な高さのある竹篭は、お盆よりも安定感があり、急須や湯呑みなども安心して運ぶことができるので助かっています。

 

おにぎり入

一緒にピクニックに持っていったおにぎり入は、自然の中でも静かにその力を発揮してくれる、頼もしい存在でした。

竹には自然な通気性があり、蒸れにくいため、おにぎりや煮物などの食べ物を美味しく保ちやすいのが大きな特徴です。
特に湿気がこもりがちなピクニックではその通気性の良さがありがたく、ごはんの余分な湿気を適度に逃してくれるため、蒸れてベタついたりぺったんこになったりしにくくなります。
海苔がふやけにくく、心地よい食感のまま楽しめるのも嬉しいポイントですね。

さらに、竹には天然の抗菌作用があるとされ、気温の高い日にも安心感を与えてくれます。
蓋がカチッと閉まる端正なつくりにも、日本の職人による丁寧な手仕事が感じられる、おにぎり入れです。

 

こちらのおにぎり入れも、室内のインテリアとしてそっと馴染んでくれます。
文房具や眼鏡、小さなアクセサリー、手の届くところに置いておきたいメイク道具たち。
使い道を限定しない、自由で美しい竹のかたちは、暮らしの中に柔らかい印象を添えてくれます。

 

家と外で愉しむ、竹のある暮らし

自然素材だからこそ、ピクニックという自然の中で過ごす時間と、竹はとてもよく調和します。
木漏れ日の下、芝の上に置かれた篭はまるで自然の一部のようで、その美しさに思わず見とれてしまうほど。

普段はお家で使いながら、篭を手にして外に出れば、それだけでちょっとした旅気分。
肩の力を抜きたい、そんな時間にぴったりです。

風薫るこの時季は、南風工藝の篭と一緒に緑の中へ出かけてみてはいかがでしょうか。