ヒビノコト

「アメノイエの住人」雨野紡が日々の暮らしを綴る日記です。
家の中での過ごし方や産地での出会いをこちらでご紹介します。

空間に、澄んだ風を届ける石のかたち

空間に、澄んだ風を届ける石のかたち

まだら模様が印象的な庵治石を使ったこちらのブックエンド「ROCK END」。自然のままの岩の表情と、丁寧に磨かれた真っ直ぐな断面とのコントラストが、なんとも印象的です。 このプロダクトは、庵治石(あじいし)を使用した美しいデザインインテリアブランド「AJI PROJECT」によるもの。庵治石とは、香川県高松市の牟礼町と庵治町にまたがる五剣山の岩壁から採掘される、高級な花崗岩のことです。その魅力をより多くの人に届けたいという思いから、2012年に地元の石工職人13名と商工会の有志によりブランドが立ち上げられました。

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惜春の香りとともに、新茶で初夏を迎える準備を

惜春の香りとともに、新茶で初夏を迎える準備を

春もいよいよ後半に差し掛かり、桜はいつの間にか緑に包まれ、若葉が鮮やかな緑色に輝く新緑の季節がやってきました。そして、この時季は新茶の季節でもあります。 新茶の摘み取りが最盛期を迎え、柔らかな新芽が香り高い一番茶を生み出すタイミング。春の温かな陽光が茶葉の成長を促し、まさに風味が最も引き立つ瞬間です。特に、八十八夜が新茶のピークを迎えると言われています。 そこで今年は、新茶を楽しむために神楽坂の名店を訪れることに。新茶の予約ができるお店に足を運び、季節の和菓子も一緒に購入し、家にあるとっておきの器とともに、春の余韻をゆっくりと楽しみたいと思います。

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想いを込めて選ぶ、母の日の贈りもの

想いを込めて選ぶ、母の日の贈りもの

「ありがとう」を伝えるきっかけをくれる、母の日。日頃の感謝の気持ちを、言葉とともに何かかたちにして届けたくなります。せっかく贈るなら、自分が「これだ」と思えるものを選びたい。だからこそ、できるだけ時間をかけて心から納得できるものを見つけたいです。毎日の家事を少しでも心地よくしてくれるようなものや、見た目も美しく使うたびに気分が上がるような、“ちいさな煌めき”を秘めたアイテムたち。今回は、私が母の日のプレゼントとして選びたい贈り物をいくつかご紹介します。

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胡椒好きの手が生んだ、香りの道具

胡椒好きの手が生んだ、香りの道具

ただそこにあるだけで美しく、暮らしの風景にすっと溶け込む、木製のスパイスミル。 こちらは、長野県大町市を拠点に活動する、内山翔平さん・未来さんご夫妻の工房「木工ヤマニ」が手がけたスパイスミルです。「ペッパーミル」と「ソルトミル」の2タイプがあり、ユニークなフォルムだけでなく、手にしたときの使い心地も格別。ひときわ存在感を放つ逸品です。

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心機一転、新しさで暮らしをアップデート

心機一転、新しさで暮らしをアップデート

新しい生活が始まり、気分を一新したくなるこの時期。インテリアを変えたいと思うものの、家具を新調するのは簡単なことではありません。そんな時こそ、手軽に変化を楽しむためにおすすめなのが前回ご紹介したような「小物」。今回も私が愛用している、暮らしをさりげなくアップデートしてくれるものをいくつかご紹介しますね。

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漆器で迎える、心安らぐ新年度

漆器で迎える、心安らぐ新年度

気づけば4月。桜が満開となり、春の植物たちが顔を出し始めました。再びこの空気が巡ってきたと思うと時の流れを感じ、どこか安心した気持ちに包まれます。新しい年度の始まりに、そんな安堵感に似たやわらかな「土直漆器」のうつわたちが届きました。伝統的な日本の文化を感じさせるうつわたちは、淡い桜の香りが漂うこの季節によく似合います。うつわの中で美しく息づく春の味覚を、贅沢に心ゆくまで堪能したいですね。

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月兎印 アメノイエ

琺瑯の白、春の明るさを映し出す

どこか懐かしさを感じる琺瑯。先日、春の陽気に誘われてお出かけをした際、アンティークショップの古びた棚の奥にひっそりと佇む琺瑯の調理道具が目に留まりました。長い年月を経ても、その耐久性の高さが感じられ、年季の入った風合いがまるで時間を超えて優しく語りかけてくるようでした。その瞬間、手に馴染む琺瑯は使ってこそ魅力が増すのだと気づき、味わいのある風合いを育てたいとおもうように。 探しているうちに出会ったのが、株式会社フジイのオリジナルブランド「月兎印」。1950年に誕生した老舗ブランドです。

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木村硝子店 アメノイエ

自由な一杯を、好きなままに

少し前からナチュラルワインにすっかり魅了されている私。家でも嗜みたくて木村硝子のワイングラスを新調して以来、さまざまなシーンで活用しています。 木村硝子店は、創業100年を超える老舗。創業当初から、洗練された普遍的な美しさを感じさせる製品をつくり続けています。今回は、その中でも国内でハンドメイドで制作されたグラスたちをご紹介します。

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山一 中華せいろ アメノイエ 

せいろで、蒸し料理習慣

無水鍋と一緒に、山一の「中華せいろ」を使って蒸し料理をつくってみました。最初は少しハードルが高いかなと思っていたせいろですが、実際に使ってみると驚くほど手間いらず。好きな食材をいれて、タイマーさえかけておけば他の調理にも集中できます。油跳ねなどが無いのでキッチンが汚れることもなく、可愛らしい見た目はそのまま食卓の主役にもなり、洗いものも少なく済むので大変助かりました。

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8役こなす、多機能無水鍋

8役こなす、多機能無水鍋

この前の休日、神楽坂は久しぶりの雨。遅めに目を覚ますと、雪とも霙ともつかない曖昧な空模様。窓の外をしばらく眺め、静かに響く雨音に耳を澄ませているうちに、自然と心は家でのんびり過ごす気分になっていきました。以前スーパーで新ジャガイモと新玉ねぎを見かけ、思わず買い物かごに入れたことを思い出し、せっかくなので、今日はこの食材たちを食卓に。 ちょうど最近購入した無水鍋を開封するいい機会だとおもい、早速お昼ご飯の準備に取り掛かりました。

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Sharpening four 癶(HATSU)戸谷 祐次

はじまりを魅せる包丁

最近は日が少しずつ長くなり、柔らかな夕陽に心がほぐれますね。本日は、かねてよりお願いしておりました福井県越前市の伝統工芸士・戸谷祐次さんの三徳包丁とペティナイフ(巴刃)が届きました。 早速うっすらと夕方の光が残る台所に立ち、少し早めに夕食の準備を始めると、時間がゆっくりと流れているようで、ふと童心に戻るような気持ちになります。戸谷さんが大切にされているという、「現代の生活に馴染むミニマルで静かなたたずまい」「越前打刃物ならではの軽やかさ」「どんな料理にも寄り添う使いやすさ」。江口海里さんが担当されたデザインは素朴なつくりで手にしっくりと馴染み、どんな食材もスッと切れる心地よさには、基本の包丁として長く寄り添ってほしいという想いが感じられます。

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