
あたたかい飲みものが恋しくなる季節に。
ようやく秋らしい空気になりましたね。昼間の陽ざしはやわらかく、朝晩は少しひんやり。そんな“温度のゆらぎ”が心地よくて、歩いているだけで気分が晴れます。この季節になると、あたたかい飲みものが恋しくなります。コーヒーやカモミールティーを淹れて、湯気を眺めながらぼんやり過ごす時間。そんなひとときに欠かせないのが、オキニイリのマグカップです。
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岐阜県土岐市に工房を構える兵山窯さんに特別にお願いして仕上げていただいた、アメノイエのためのお茶碗です。こちらは「錆かいらぎ」。
お茶碗は、毎日の食卓に欠かせない存在。
使いやすさを大切にしたシンプルなかたちに仕上がっています。
選んだのは二つの表情。
ひとつは、釉薬のちぢれによって生まれる独特の表情が魅力の「錆かいらぎ」。
もうひとつは、黒地に錆色がにじむ落ち着いた風合いの「錆巻き」。
同じかたちでも、色や質感の違いによって盛りつける料理の印象が大きく変わります。
暮らしのなかで少しずつ馴染み、使い手とともに育っていくうつわです。
朝の食卓に、炊きたての白いごはんをよそいます。
かいらぎのお茶碗に盛ると、手になじむ心地よさと、白ごはんから立ちのぼる湯気がふわりと合わさり、一日の始まりに小さな静けさを添えてくれるようでした。
鮭の塩焼きや卵焼きといったシンプルな朝食も、この一椀を手にするだけで、すっと背筋が伸び、ゆっくりと丁寧に味わいたい気持ちに変わります。
黒地に錆色がにじむ落ち着いた錆巻きのお茶碗には、秋の炊き込みごはんを。
厚みのあるうつわが熱をやさしく包み込み、きのこや根菜の彩りを一層引き立ててくれます。
季節ごとに具材を変えるたび、食卓に新しい表情が加わるのも楽しみのひとつ。
そのときどきの旬を映す一椀が、暮らしの時間を豊かにしてくれます。
ある日のお昼、野菜やお肉をたっぷりのせたビビンバ風ごはんをよそいました。
普通のお茶碗の1.5倍ほどの量のご飯を盛っても余裕があり、さらに具材を重ねても窮屈さを感じさせません。
口縁がわずかに内側へと締まっているため、たっぷり入るのに全体の姿はすっきりと上品。
シンプルなフォルムの中に、使いやすさと美しさを計算した工夫が隠されているように思います。
見た目の迫力の中に、どこか品の良さを残してくれるのも、このうつわの魅力です。
寒さが深まる日の昼下がり、体を温めたくて用意したのは湯気の立つうどん。
錆巻きのどんぶりに盛ると、黒に錆色がにじむ落ち着いた風合いが澄んだつゆを際立たせ、卵や薬味の彩りをひときわ鮮やかに見せてくれます。厚みのあるうつわは、最後のひと口まで温もりを保ち、食べ終える頃には心も体もすっかりほどけていました。
かいらぎと錆巻き。
異なる表情を持つ二色のうつわがあれば、食卓の時間は自然と広がっていきます。
今日はどちらにごはんをよそうか、どんな料理を盛ろうか。
そんな小さな選択が、日々の食卓をより豊かにしてくれるのかもしれません。
作り手 :兵山窯 / 岐阜県土岐市
サイズ:φ127×H64 mm
素材:陶土
電子レンジ:×
食器洗浄機:×
オーブン:×
・ひとつひとつ手作業で仕上げているため、同じ柄や形でも少しずつ表情が異なります。釉薬の色味やヒビの出方、サイズにも違いが生じることがございますが、手仕事ならではの味わいとしてお楽しみください。
・うつわの特性上、貫入(細かな亀裂)が入る場合がありますが、釉薬の特徴であり品質には問題ございません。
・ご覧になる環境(PCモニターやスマートフォンの機種、撮影環境など)によって、実際の色味と異なって見える場合があります。
・吸水性があるため、使い方によっては色や風合いに変化が出ることがございます。つけ置きや料理を入れたままにするのは避け、洗ったあとはよく乾かして、風通しのよい場所で保管してください。
・ご使用前に一度たっぷりの水に浸し、余分な水分を拭き取ってからお使いいただくと、色や油が染み込みにくくなり、汚れも落としやすくなります。
1件につき390円(税込)でラッピングを承っております。
各商品ページのカートボタンの下にある「ラッピングを希望しますか?」チェック欄からご指定ください。
複数のおしなものをお選びいただいた場合で、それぞれ個別にお包みをご希望の際は、必要な数のラッピングを一緒にご購入ください。
おまとめでの包装をご希望の際は、カート内の備考欄にその旨をご記入いただければ対応いたします。
原則としてご注文受付後、7日以内に発送いたします。
おしなもの発送時に当店よりメールにてご連絡いたします。
※一決済につき一梱包での発送となります。
システム上、ご注文後の発送のおまとめは対応いたしかねます旨ご了承ください。
ご配送日時のご希望がございます場合は、カート画面のメモ欄にその旨ご記載くださいますようお願いいたします。
兵山窯 錆かいらぎ なごみ碗
ようやく秋らしい空気になりましたね。昼間の陽ざしはやわらかく、朝晩は少しひんやり。そんな“温度のゆらぎ”が心地よくて、歩いているだけで気分が晴れます。この季節になると、あたたかい飲みものが恋しくなります。コーヒーやカモミールティーを淹れて、湯気を眺めながらぼんやり過ごす時間。そんなひとときに欠かせないのが、オキニイリのマグカップです。
雨にぬれたアジサイ、しっとりと光る石畳、そして水盤に広がる静かな波紋──引っ越してきたあの日、神楽坂で出会ったその風景は、今も胸の奥に鮮やかに息づいています。その記憶が、いま紙の上でやさしい線となり、オクリモノを包むかたちへと姿を変えています。
はじめて手にした「かいらぎ」のうつわに、心を奪われたあの日。釉薬のちぢれが生む景色は、光や角度によってゆらぎ、ひとつとして同じ姿はありません。その印象は時を経ても消えることなく、暮らしの中で折にふれてよみがえります。もう一度その景色に会いたくて、兵山窯を訪ね、アメノイエのためにお茶碗とどんぶりを作っていただきました。かいらぎと錆巻き、ふたつの表情が、これからの食卓を静かに彩ってくれることでしょう。