新しく迎えたものと、秋のはじまり
秋の訪れと、あらたに迎えた水屋箪笥 今年の夏は、ずいぶん短かったように感じます。 朝晩の風に秋の気配を感じるようになると、衣替えをするように、家の中も少しだけ気分転換をしたくなります。家具の配置を変えてみたり、小物を入れ替えてみたり。 今年の秋は、そんなふうに家を整えることが、いつも以上に楽しみでした。 実は春頃、それまで愛用していた水屋箪笥を次の方へお譲りすることになりました。そこで、いつもお世話になっている「Wormhole Furniture」の牛丸さんに新しい水屋箪笥を探していただくことに。 そして先日、待っていた水屋箪笥がわが家に届きました。 以前のものより背が高く、収納力も増えたので、お気に入りのうつわたちもゆったりと収められます。「水屋」というのは、もともと台所や茶の湯の準備をする場所のこと。そこでうつわや道具を収めるために使われてきた家具が、水屋箪笥と呼ばれてきたそうです。 今回迎えた水屋箪笥は、もとの木肌を深い黒に塗り直していただきました。背が高くなったこともあり、部屋に置いたときの凛とした存在感は以前とはまた違った趣があります。 なかでも一番惹かれているのが、扉にはめ込まれた古いガラスです。新しいガラスに替えることもできたそうですが、もとからそこにあったものを、そのまま残していただきました。 近づいて見ると、表面には縦に細かな筋が入っています。これはひびや傷ではなく、古いガラスならではのもの。今のガラスのように均一ではないからこそ、光の入り方や見る角度によって、少しずつ違った表情を見せてくれます。 そんなガラス越しに眺めるうつわも、いつもとは少し違って見えるのがおもしろいところ。今のガラスではなかなか味わえない、この古いガラスの表情がとても気に入っています。 はじめてのクリップランプ、その使い心地 もうひとつ、わが家の暮らしに新たに加わったのがクリップランプです。 いま使っているデスクは少し小ぶりなため、普通のデスクランプを置くとどうしてもデスクの上が手狭に感じてしまうのが悩みでした。そんなとき、牛丸さんから提案していただいたのがこのランプです。 実はこれまでクリップ式の照明にはあまり馴染みがなく、お話を伺ったときも、正直なところピンときていませんでした。けれど、実際に迎えてみると、これが驚くほど使い勝手がいいのです。 天板の縁に直接挟んで固定できるため、ベースを置くスペースがいらず、小さなデスクの上でもすっきりと収まります。 デンマークの照明メーカー「RIJO」のもので、1950年代頃につくられたヴィンテージ。細くすっと伸びた支柱が印象的で、全体の佇まいがとても軽やかです。関節部分のアルミニウムパーツがさりげないアクセントになっており、細い線で構成された姿には無駄のない美しさがあります。 古い照明というと、重厚で存在感のあるものを思い浮かべますが、こちらは主張しすぎず、デスクまわりにすっと馴染んでくれます。見た目の美しさだけでなく、限られたスペースを上手に使えるところも、実際に使ってみて気づいた魅力でした。 それぞれ違う場所で、誰かの暮らしや仕事を支えてきた家具と灯り。長い時間を重ねたあと、巡り巡って今はわが家にあります。小さな傷や色褪せも、それらが過ごしてきた時間の一部。そんな跡も含めて、これから一緒に時間を重ねていけたらと思っています。 日が落ちるのが、ずいぶんと早くなりました。夕暮れ時にランプを灯すと、その光の向こうに水屋箪笥が浮かび上がります。 灯りの中で見る水屋箪笥は、昼間とはまた少し違って見えるもの。古いガラス越しに並ぶお気に入りのうつわを眺めていると、日々の風景が少しだけ深みを増したように感じます。 これから季節が変われば、並べるうつわも少しずつ変わっていくはず。そのときどきのうつわを選びながら、季節の移ろいも楽しんでいきたいです。





