木と陶磁器が並ぶひととき
あたたかな陽気に包まれて 先週末、夏を思わせる陽気のなか、中西健太さんと佐藤朱理さんによる二人展を開催しました。 初めてお越しくださった方も、いつも足を運んでくださる方も。年齢や性別を問わず、本当にたくさんの方にお越しいただきました。作品を囲みながら、豊かな時間をご一緒できたことを嬉しく思います。 みなさんが作品を手に取り、じっくりと眺めながら過ごされる姿がとても印象に残っています。 「これに焼き菓子をのせたらかわいいな」「朝食に使いたい」 そんな声があちらこちらから聞こえてきました。 うつわや木工を前に、それぞれの暮らしのひとときを思い描く。誰かの言葉に耳を傾けたり、自分ならどう使おうかと想像を巡らせたり。 好きなものをきっかけに、自然と会話が生まれていく時間は、この二人展ならではだったように思います。 あの日眺めていた作品たちは、今ごろそれぞれの食卓や暮らしのなかで、新しい時間を重ねているのでしょうか。週が明けた今も、そのことを思い返しながら、あたたかな余韻に包まれています。 木と白磁の響き合い 今回の二人展で、ひときわ目を引いていたのが、中西健太さんの木工と佐藤朱理さんの白磁練り込みが並ぶ佇まいでした。 佐藤さんにとって今回初めての試みとなる白磁練り込み。土を幾重にも重ねて生まれる模様は、一点一点異なる表情を見せてくれます。やわらかな白のなかに浮かぶ繊細な模様は、どこか木目を思わせるようでもあり、中西さんの木工と並ぶと不思議なほど自然に馴染みます。 「窯から出てくるまで、どんな模様になるか私にも分からないんです」 そう佐藤さんが話してくださったように、同じものはひとつとしてない一期一会のうつわです。 白磁の片口と茶杯を中西さんのお盆にあしらうと、空間がすっと整い、静かなお茶の時間が思い浮かびます。 白磁のプレートには木のカトラリーを添えて。 木が育んだ木目と、土から生まれた模様。それぞれの表情が響き合うことで生まれる眺めは、この二人展を象徴する一コマだったように思います。 手に馴染むものたち こちらは、佐藤さんのマグとカップ。 描かれた模様は、その時々に佐藤さんが手の動くままに表現されたものです。自由な線と、水墨画を思わせるやわらかなにじみ。同じものはひとつとしてなく、それぞれに異なる表情があります。佐藤さんが独自に調合した楽釉薬の白をじっと見つめていると、冬の窓ガラスに張った氷や雪景色が浮かんでくるようで、どこか静けさをまとっています。 そこに寄り添うのは、中西さんの木工作品たち。 立山連峰を望む富山の地で制作される中西さんの作品は、木そのものが持つ美しさを活かしながら、暮らしのなかで心地よく使えることを大切にされています。 もともとは登山用のうつわづくりをきっかけに生まれたもの。そのため驚くほど軽く、手に取ると自然と馴染みます。 佐藤さんのマグにコーヒーを淹れ、中西さんのトレイに焼き菓子を添える。 そんなご自宅でのひとときを思い描きながら作品を選ぶ方も多くいらっしゃいました。...


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