料理を好きにしてくれた7つの道具

好きな道具と料理の時間

「料理が好きになったのは、いつからだろう」

ふとそんなことを考えてみると、最初に思い浮かぶのは、料理そのものよりも台所に並んでいる道具たちでした。

もともとうつわが好きで、気になる作り手がいれば産地を訪ねたり、旅先で出会ったものを少しずつ暮らしに迎えたり。そうして各地を訪ね、ものづくりに触れるうちに、うつわだけでなく永く使いたいと思える道具にも少しずつ惹かれるようになりました。

気に入った道具をひとつ、またひとつと使うようになると、料理をする時間も少しずつ変わっていきました。

食材を切る。焼く。蒸す。煮る。

それまで料理を完成させるための工程だったことが、いつの間にか、そのひとつひとつを楽しむ時間になっていたのです。

振り返ってみると、料理が好きだったから道具を選んだというより、好きな道具に出会ったことで、料理をすることも好きになっていったのかもしれません。

今回は、そんなわが家の台所で日々使っている、好きな道具たちをご紹介します。

 

癶 -HATSU- 三徳 ウォルナット 八角

包丁は、sharpening fourを愛用しています。

この三徳包丁は、とにかく切れ味がよいのです。熟したトマトも形を崩さずきれいにスライスできて、食材に刃がすっと入っていく感覚が気持ちいい。両刃で扱いやすく、ウォルナットの柄も手に馴染むので、日々の料理で使いやすい包丁です。

この包丁を使うようになってからは、すっかりこの切れ味の虜で、いろいろなものを刻みたくなるほどです。
野菜を切ったときのシャキッとした食感やみずみずしさも心地よく、切る道具ひとつでこんなにも違うのかと感じています。

 

woodpecker いちょうの木のまな板

そんな切れ味抜群の包丁と一緒に使っているのが、woodpeckerのいちょうのまな板です。

いちょうの木は柔らかく弾力があるので、包丁の刃を傷めにくいのが特徴。刃がまな板に当たる「トントン」という音もやわらかく、包丁を使っているときの感触がとても気持ちいいのです。

水はけがよく、乾きが早いのも魅力のひとつ。使ったあとにさっと洗って乾かせるので、毎日の料理でも気兼ねなく使えます。

使い勝手はもちろん、形の可愛らしさもお気に入りのひとつ。家に遊びに来てくれる友人から「このまな板、形が可愛いね」と褒めてもらうこともあります。道具としての使いやすさだけでなく、キッチンに置いておきたくなるような佇まいも、このまな板の好きなところです。

 

野鍛冶やまご ちょっと深めのフライパン

フライパンは永く使えるものをと、いろいろ探していました。最初から鉄のものを選んでいたわけではなく、テフロンのフライパンなども使ってみて、辿り着いたのが野鍛冶やまごの「ちょっと深めのフライパン」です。

便利なものがたくさんある今だからこそ、昔から使われてきた道具を、今の暮らしに合うように使いやすくしているところに惹かれました。「こんなものがあったら」という主婦の声から生まれたというだけあって、実際に使ってみると、その使い心地にも納得です。

鉄のフライパンは重たくて扱いにくそうなイメージがありましたが、これは思っていたよりも扱いやすく、片手でもさっと動かせます。私が使っている22cmのもので約800g。鉄のフライパンとしての厚みはちゃんとありながら、日々使うにはちょうどいい重さです。

名前の通り少し深めにつくられているので、炒めものをするときも食材がこぼれにくく、油も飛び散りにくい。毎日のように使うものだからこそ、こうした使いやすさがうれしいのです。

使うほどに油がなじみ、少しずつ自分の道具になっていく。そんな変化も楽しみながら、これからも大切に使っていきたいと思っています。

 

山一 ヒノキ中華せいろ

杉や竹など、いろいろな素材がありますが、私は蒸しているあいだに広がる木の香りも楽しみたくて、ひのきを選びました。

愛用しているのは、山一のひのき中華せいろ。国産の木曽ひのきを何層にも重ねた、しっかりとしたつくりです。蓋の上部も竹網代編みを二重にすることで、蒸気をほどよく逃がし、水滴が食材に落ちにくいよう工夫されています。

私が使っている21cmは、ひとり分の食事にも使いやすいサイズ。パンや野菜、ソーセージなどを一緒に蒸して、そのまま食卓へ出すこともあります。器に移し替える手間がなく、朝食やひとりでの昼食にも重宝しています。

そして、せいろで温め直した白米がとてもおいしくて。蒸気でふっくらと温まったごはんは、炊きたてとはまた違い、もっちりとして、お米の甘みをより感じられる気がします。忙しい日が続くときは、あえて多めに炊いておいて、せいろで温め直していただくのがわが家のスタイルです。

 

HALムスイ KING 無水鍋

そして、料理の幅をぐっと広げてくれたのが、HALムスイの「KING 無水鍋」です。

ごはんを炊いたり、煮込み料理をつくったり。炒めたり、蒸したりと、ひとつの鍋でいろいろな料理ができるので、気づけば台所で手に取る機会も増えていきました。ひとつの道具でいろいろなことができるので、道具をあれこれ増やさずに済むところも気に入っています。

以前、この無水鍋でキャロットケーキを焼いてみたことがあります。これまで鍋でケーキを焼くなんて考えたこともなかったので、ふっくら焼き上がったときは感動しました。

料理のために選んだはずなのに、気づけば、それが新しい料理をつくるきっかけをくれる。昔からある無水鍋が、今の暮らしの中でもこんなふうに新しい使い方を楽しめることにも惹かれています。

まだ試したことのない使い方もたくさんありそうで、これからどんな料理をつくろうかと考えるのも楽しみのひとつです。

 

富本大輔 すり鉢

ごまをすったり、とろろをつくったり。すり鉢を出して、手を動かす時間も好きです。

冨本大輔さんのすり鉢は、土のざらりとした手触りが心地よく、ごまをすると香ばしい匂いがふわっと広がります。とろろも、きめ細かくふんわりとできるので、朝ごはんに少し食べたいときなどよく使っています。

今年は、味噌づくりの大豆を粗潰しするのにも使いました。食材の様子を見ながら、自分の手で仕上げていく。そんな時間も、すり鉢を使う楽しみのひとつです。

すったものをそのままうつわとして食卓に出せるところもよいですね。

 

野田琺瑯 White series

包丁や鍋のように主役級ではないけれど、気づけば毎日の台所で必ず登場するのが、野田琺瑯の容器たちです。わが家では「ホワイトシリーズ」で揃えて愛用しています。

料理の下ごしらえで本当に使用頻度が高いのが、バット。切った食材を置いておいたり、お肉を下味に浸しておいたりと、縁の下の力持ちのように台所の裏側でよく働いてくれます。

そして、保存容器も欠かせません。匂いや色移りがしにくいのも琺瑯の頼もしいところで、塩分や酸にも強いため、仕込んだお味噌の保存などにも使っています。長く保存したいものにも気兼ねなく使える安心感があるのです。

真っ白でシンプルな佇まいは、そのまま食卓に出してもすっと馴染みます。ホワイトシリーズで揃えているからこそ、冷蔵庫の中に並んでいる姿も統一感があってすっきりと心地よい。
つるりと洗いやすく、そんな何気ない使い勝手のよさも、毎日のように自然と手が伸びる理由なのだと思います。

 

これからもお気に入りの道具と

今の時代は、便利で手頃な道具がたくさんあって、選択肢も本当に豊富です。

それでも、毎日のように使うものだからこそ、気に入ったものを永く使っていきたい。使い込むうちに少しずつ馴染んでいくことも、道具を使う楽しみのひとつです。

好きな道具があると、料理をする時間までもが豊かになる。

これからも、そんな道具との出会いを楽しみながら、自分の台所を少しずつつくっていけたらと思います。