新しい年のはじまりに、日々の暮らしを整える
暮らしを見つめ直す 早いもので、今年も残りわずかとなりました。 立ち止まって振り返る間もなく、気づけばここまで歩いてきたように思います。カレンダーを眺めて、ああもうこんな時期かと、ようやく実感する、そんな年の瀬です。 この一年、どんな道具と過ごしてきたのか。どんな服を着て、どんな食卓を囲んできたのか。 年の終わりが近づくにつれて、そんなことに、ふと目が向きます。 新しい年を迎える準備は、日々の暮らしを整えることから始めたい。毎日手にするものや身に着けるものを見直すだけで、日々の暮らしがぐっと心地よくなり、気持ちも自然と満たされていくように感じるのです。 手を入れて、使い続けたい 毎日の料理で使うものは、最初に見直しておきたいですね。中でも、包丁とまな板の使い心地は、台所に立つ時間の満足度を大きく左右するもの。どちらも、神楽坂に引っ越してきたときに新しく迎えたもので、台所に立つ時間を大切にしたいと思い、時間をかけて選びました。 お気に入りだからこそ、きちんとお手入れをしてあげながら、いい状態で使い続けたいと思うのです。 包丁を研ぎ直す 包丁は、福井県越前市の伝統工芸士・戸谷祐次さんのペティナイフと三徳包丁を愛用しています。 見た目や持ち心地のよさはもちろん、何より、刃の入り方がとても気持ちいい。もう1年半ほど使っていますが、今でも使うたびに小さな感動があります。 この切れ心地を保つために、 普段は季節に一度、自分で研ぎ直していますが、年の終わりには「一年お疲れさま」という気持ちも込めて、作り手である戸谷さんにメンテナンスをお願いしたいと思っています。 まな板を削り直す まな板は、woodpeckerさんのいちょうのまな板を使っています。包丁の刃当たりがやさしく、お迎えして本当によかったと感じる存在です。 一年半ほど使うと、表面には細かな傷が刻まれ、色味も少しずつ深くなってきました。自分の暮らしに馴染んできたようで、その変化も愉しんでいます。 削り直せば新品のように生まれ変わるそうですが、わが家のまな板は、もう少しこのままで。使い心地がとてもよいので、少しだけ切りたいとき用に、小さなサイズも迎えたいなと考えています。次は、雲の形もよさそうです。 この先も選び続けたい 手を入れながら長く使えるものもあれば、どんなに気に入っていても、いつか買い替えが必要になるものもあります。買い替えのタイミングが来たときも、迷わず「また、これを」と思えるものに、今年はいくつも出会えました。 大黒屋の八角箸 大黒屋さんのお箸は、そのひとつです。これまでいろいろなお箸を使ってきましたが、大黒屋さんのお箸に出会ってからは、「この先もずっとこれがいい」と思えるようになりました。 まず惹かれたのは、見た目のスタイリッシュさ。細身で無駄のない佇まいに、はじめて目にしたとき、一目ぼれしたのを、今でもはっきりと覚えています。 そして、実際に手に取ったときの持ち心地の良さに驚きました。細身の八角形は、誰の手にもすっとなじむように 計算されてつくられているのだそうで、使うたびに、そのバランスのよさを実感します。...






