夏が近づき、自然の景色に心惹かれるこの頃。
7月17日(金)から19日(日)まで、陶芸家・小原創太さんとガラス作家・LANさんによる二人展をひらきます。
ひんやりとした石肌のような静かな無地の中に、奥深い表情が宿る小原さんの土のうつわ。
水や空気のゆらぎをそのまま閉じ込めたような、美しい佇まいを持つLANさんのガラス。
異なる素材でありながら、どちらも自然が生み出したような心地よさをまとい、一つの空間の中で美しく調和します。
夏の暮らしを涼やかに彩るお気に入りを、ぜひ見つけにいらしてください。
夏が近づき、自然の景色に心惹かれるこの頃。
7月17日(金)から19日(日)まで、陶芸家・小原創太さんとガラス作家・LANさんによる二人展をひらきます。
ひんやりとした石肌のような静かな無地の中に、奥深い表情が宿る小原さんの土のうつわ。
水や空気のゆらぎをそのまま閉じ込めたような、美しい佇まいを持つLANさんのガラス。
異なる素材でありながら、どちらも自然が生み出したような心地よさをまとい、一つの空間の中で美しく調和します。
夏の暮らしを涼やかに彩るお気に入りを、ぜひ見つけにいらしてください。
半年越しの楽しみ 今年の一月、一年で最も寒さが厳しい時期に仕込んだ味噌。手間ひまかけて大豆を潰したあの日から半年が経ちました。キッチンの奥にしまった容器を見るたび、「どんな味になっているだろう」と気になりながらも、蓋を開けるのはもう少し先に、と待ち続けた半年間。 いよいよ待ちに待った開封の日を迎えます。 そっと蓋を開けると、まず目に入ったのは表面を覆うように広がったカビでした。味噌づくりでは珍しくないことだと聞いていたものの、想像していたよりも多く、思わず手が止まります。 もしかしたら、失敗してしまったのかもしれない。 そう思い、慌てて味噌づくりに詳しい友人へ連絡を入れました。 「そのくらいなら大丈夫。まずは表面を削いでみて。」 返ってきた言葉に安心しながら、スプーンでカビの層をそっと取り除いていきます。すると、下から現れたのはつやのある飴色の味噌。ふわりと立ち上るのは、大豆と麹がゆっくり馴染んだやさしい発酵の香りでした。 半年という時間を重ねて、味噌はしっかりと育ってくれていたようです。 粗潰しの食感 無事に仕上がっていることがわかったところで、まずはそのまま味わってみることにしました。 夏の暑い日に恋しくなるのは、やっぱりきゅうりとの組み合わせ。できあがった味噌を少し乗せて、ひと口いただきます。 ほどよい塩味の奥に広がる、麹のやさしい甘み。そして、口に含むと感じる、大豆のほどよい粒感。 前回はフードプロセッサーを使いなめらかに仕上げましたが、今回はすり鉢を使いあえて粗めに潰してみました。少し粒を残したことで、大豆の風味がより感じられ、口の中でほろりとほどけるような食感に。 同じ材料でも、使う道具や手の加え方によって、できあがりの表情は変わる。そんな違いを楽しめるのも、手づくりならではのおもしろさなのかもしれません。 味噌が主役になる、夏の献立 せっかくなら、できたての味噌をいろいろな料理で楽しみたい。 そう思い、その日は味噌を使った料理をいくつか並べることにしました。 まず作ったのは、焼きおにぎり。 自家製味噌に、みりん、酒、ごま油、おろしにんにくを少し加えて、にんにく味噌を作り、おにぎりに塗って焼いていくと、焼けた味噌の香りににんにくの風味が重なり、台所いっぱいに香ばしい香りが広がりました。 シンプルな料理だからこそ、味噌そのもののおいしさをまっすぐ味わえる一品です。 そのほかにも、じっくり焼いた茄子や冷奴には肉味噌をたっぷりと。きゅうりやエシャロットには、味噌をそのまま添えて。 特別な料理を用意したわけではないけれど、自家製味噌がひとつ加わるだけで、いつもの食卓が少し豊かになる。時間をかけて作った味噌だからこそ、そのおいしさをより深く感じられた気がします。 味噌から広がる、次の一皿 手間をかけて仕込んだ味噌があることで、次はどんな料理に合わせようかと、食卓を考える楽しみも増えました。...
季節とともに変わる、心惹かれる香り 先日、アメノイエで香りのブランド「lunef(リュネ)」の安藤明日生さんをお迎えし、自分だけの香りづくりのワークショップを開催しました。 神楽坂の坂道を歩くだけでも汗ばむような夏の日。暑いなかお越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。 テーブルいっぱいに並んだ、たくさんの精油の瓶。 ふたを開けるたび、柑橘のみずみずしい香りやミントやセージの清々しい香りがやさしく広がっていきます。この日多くの方が選ばれていたのは、レモンやベルガモット、オレンジなどの柑橘やすっと風が通り抜けるようなミントやセージ。夏の暑さのなかでは、自然とそんな軽やかな香りに手が伸びるのかもしれません。少しずつ異なる香りが重なり合うたび、アメノイエの空間にも夏らしい涼やかな空気が満ちていきました。 前回このワークショップを開催したのは昨年の冬。あの時は、木々や樹脂を思わせるあたたかく包み込まれるような香りを選ばれる方が多かったことを思い出します。 冬には冬の、夏には夏の。季節が巡るたび自然と心惹かれる香りも少しずつ移り変わっていく。そんなことをこの日あらためて感じました。 名前を知らずに選ぶということ このワークショップのおもしろさのひとつは、最初に精油の名前を伏せたまま香りを選ぶことです。効能やイメージにとらわれず、まずは「心地いい」と感じる香りを自分の感覚だけを頼りに選んでいきます。 たくさんの精油のなかから、それぞれが自然と手に取った一本。あとから名前や特徴を知ることで、今の自分が心惹かれた理由に気づかされます。 香りを選んだあとは、明日生さんが一つひとつの精油についてその特徴や背景を丁寧に教えてくださいます。たとえば、ゼラニウムは気持ちを整え、集中したい時に寄り添ってくれる香り。安眠を意識するならオレンジを少し加えてみるのもおすすめなのだそうです。 こうして精油の知識が深まっていくことで、最初の直感的な印象に新しい発見が重なっていきます。明日生さんのお話を聞いてからは、「これも合わせてみたいです。」という声があちらこちらから聞こえてきました。 先入観を持たずに選ぶからこそ、自分でも気づかなかった心地よさに出会える。そんな驚きもこのワークショップならではの楽しさなのだと思います。 迷いながら、自分だけの香りへ 精油は一滴加えるだけで印象が驚くほど変わります。爽やかだった香りに少し深みが生まれたり、強く感じていた香りがやわらかな表情になったり。 「もう少し軽やかにしたい。」「あと一滴加えたら、どう変わるだろう。」 瓶を手に取り、何度も香りを確かめながら少しずつ組み合わせを重ねていくみなさん。その姿を見ていると、香りをつくっているというより自分の感覚と静かに向き合っているようにも映りました。 なかには十種類ほどの精油を組み合わせる方も。夢中になって試しているうちに、「最初に思い描いていた香りから、ずいぶん変わりました。」と笑い合う場面もありました。 けれど、その迷いもまた香りづくりの楽しさなのでしょう。 明日生さんは、一人ひとりの「こんな香りにしたい」という想いに耳を傾けながら、 「こちらを少し加えてみましょうか。」「この香りとも相性がいいですよ。」 と、そっと寄り添ってくださいます。 そうして少しずつ形になっていく香り。迷いながら重ねた一滴一滴がその人らしい香りをつくり上げていました。 世界にひとつだけの香り 最後に自分だけの香りに名前をつける時間があります。...
はじまりは、ひとつのガラス まるで水が流れる、その瞬間を閉じ込めたかのよう。 やわらかな曲線や溶け合う色彩は、今にも流れ出しそうな躍動感を宿しながら、不思議と凛とした静けさも感じさせます。 光を受けるたびに表情を変え、ふと視線を向けるたび、その美しさに思わず手を止め、見入ってしまう存在です。 出会いは約三年前。ふらりと立ち寄ったインテリアショップで見つけた、無骨でいてどこかやわらかなガラスの塊。その佇まいに心を奪われ、直感のままわが家へ迎えました。 本当の美しさに気づいたのは、自宅の窓辺で強い西日をたっぷりと受けたとき。光をまとったガラスは息をのむほど美しく、その瞬間からLANさんのガラスの虜になったことを今でもはっきりと覚えています。 その後、ご縁があってLANさんご本人とお会いする機会に恵まれました。お話ししてみると、お互い自然が大好きだということが分かり、すっかり意気投合。今では一緒に山へ出かける間柄になりました。 先日も、新緑が美しい八ヶ岳へ。ゆっくりと山道を歩きながら、ガラスづくりのことや作品に込める思い、これまで歩んできた道のりなど、いろいろなお話を聞かせていただきました。 歩幅を合わせながら聞いた、はじまりのこと LANさんがガラスの制作を始められてから、今年で約7年。 最初は前職のかたわら、バーナーを使って小さなアクセサリーを作るところからスタートし、その後吹きガラス(ブローワーク)を教わったことで、お香立てや一輪挿しといった、暮らしの中で使われる道具へと表現が広がっていったといいます。 「前職で培った色づくりや色の組み合わせの感覚は、現在の作品づくりにも活かされていると感じています」 そう語るLANさんの作品は、スモークグレーやダークブラウンなどが静かに混ざり合う、とてもシックで奥深い色合いが魅力です。 色彩がゆったりと溶け合い、たゆたうようなグラデーション。透き通るガラスの中に閉じ込められた小さな気泡すらも、光を受けて小さな粒のように輝いていて、眺めるたびに新しい表情に気づかされます。 偶然の揺らぎをそのまま愛おしむ 熱く溶けたガラスは、温度や時間、ほんの少しの手の力加減によって仕上がりが大きく変わる、とても繊細な素材です。 制作を始めた頃は、自分が思い描いた形を正確に表現することを意識していたというLANさん。けれど、日々ガラスと向き合うなかで、その姿勢は少しずつ変わっていったのだそうです。 「思い通りにならないことも多いですが、その難しさがあるからこそ新しい発見や学びがあり、制作を続ける面白さにつながっています。」 今では、ガラスが自然につくり出す揺らぎや、その時々に生まれる偶然の表情も、一つの個性として大切にしながら制作されているそうです。だからこそ、LANさんの作品には、どこか自然の流れをそのまま映したような、飾りすぎない美しさが宿っているのかもしれません。 アートのような佇まいと、日常の機能 「ご覧になる方それぞれが、自由に何かを感じたり、風景や記憶を重ね合わせたりしながら楽しんでいただけたら。」 作品をつくるうえで大切にされているのは、アートとしての表現と、暮らしの中で使う道具としての心地よさ。そのどちらかではなく、両方が自然に寄り添うことなのだそうです。 山道をゆっくり歩きながら、ものづくりのお話を聞き、その考え方に触れるほど、私はますますLANさんのガラスに惹かれていきました。 また新しい作品を迎えたいとお伝えすると、「もちろんです。」と笑顔で応えてくださったLANさん。それから数か月後、わが家へ届いたのは、私をイメージした色合いで仕上げてくださったお香立てと花器でした。初めてLANさんの作品に出会った三年前、心を奪われた静かな美しさはそのままに、今回の作品は、より有機的な曲線を描き、色彩もさらに豊かに重なり合っています。 ...
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