二年分の「好き」を、一枚のハンカチに。

二年分の「好き」を、一枚のハンカチに。

節目に残したかったもの

神楽坂に引っ越してきて、あっという間に二年が経ちました。
季節が巡るたび、各地の作り手を訪ね、その手から生まれた道具を暮らしに迎えてきました。
そんなご縁を重ねながら、暮らしが少しずつ豊かになっていったように思います。 

食卓を彩るうつわ。
毎日のように手に取る木の道具。
部屋の片隅に置いているかご。

どれも、その道具を迎えた日の景色や、交わした言葉まで思い出させてくれる大切な存在です。

二周年という節目に、その時間を何かひとつ形に残したいと思い、ハンカチをつくることにしました。
描いたのは、この二年間の暮らしの中で出会い、特に心に残っている道具たち。
何度も手に取り、ともに時間を重ねてきたものだからこそ、それぞれにかけがえのない思い出が宿っています。

そんな二年分の「好き」を、一枚の布にぎゅっと詰め込みました。

 

ケンタくんが描いてくれた世界

イラストをお願いしたのは、以前、贈り物のための包装紙を描いてくれたケンタくんです。
包装紙が出来上がったとき、「またいつか一緒に何かをつくれたら」と思っていたので、今回こうしてお願いできたことをとても嬉しく思っています。

描いてもらったのは、私たちが特に愛着を持って使い続けてきた暮らしの道具たち。
「あのうつわも入れたい」「この家具も描いてほしい」と、一つひとつ選びながら、一緒に形にしていきました。 

完成したイラストを見たとき、毎日のように使ってきた道具たちが一枚の絵になって並んでいることが、なんだか感慨深く、思わず見入ってしまいました。

ケンタくんらしい軽やかなタッチのなかに、ガラスのやわらかな透明感や、かごの繊細な編み目、それぞれの道具が持つ表情まで丁寧に描かれていて、「道具らしさ」がちゃんと伝わってきます。

見慣れた道具なのに、絵になるとまた違った魅力があって、広げるたびに嬉しい気持ちになる一枚です。

 

毎日使うものだから

せっかくつくるなら、毎日気持ちよく使えるものにしたい。
そんな思いから、製作はハンカチ専門店・OLD-FASHIONEDさんにお願いしました。

ハンカチは毎日持ち歩き、何気なく手に取る、とても身近な道具です。
だからこそ、生地の風合いや縫製にもきちんとこだわりたいと思いました。
たくさんの生地を見せていただく中で、一目見た瞬間、「これだ」と感じたのが、ほんのりと透け感のある上品な生地でした。
軽やかでやわらかな風合いは、ケンタくんのイラストともよく馴染み、この一枚にぴったりでした。

縁には、「メロー巻き」を施しています。
細い糸で丁寧に仕上げられた縁取りが、イラストをやさしく引き立て、このハンカチらしい軽やかな表情を添えてくれています。


暮らしの中で育つ一枚

新品のぱりっとした風合いも素敵ですが、何度も洗ううちに少しずつやわらかくなり、自分だけの一枚へと育っていく。
その変化は、お気に入りのうつわや木の道具が、暮らしの時間とともに手に馴染んでいく感覚と、どこか似ているように思います。

バッグから取り出して手を拭いたり、お弁当を包んだり。
ときには、かごにふわりとかけて目隠し代わりに使ってみたり。

小さな布ですが、暮らしの中では思っている以上に出番の多い道具です。
気づけば何枚も集めてしまうのも、ハンカチの魅力のひとつ。

旅先で迎えた一枚や、大切な人から贈られた一枚は、引き出しを開けるたび、その頃の空気まで一緒によみがえらせてくれます。

このハンカチもまた、そんなふうに暮らしの時間を重ねながら、その人だけの一枚へと育っていってくれたら嬉しいです。


これから増えていく「好き」

二周年はひとつの節目ですが、新しい始まりでもあります。

この先も、新しい作り手とのご縁があり、心惹かれる道具と巡り合いながら、暮らしも少しずつ形を変えていくのでしょう。

これまでいただいたご縁を大切にしながら、この場所でまた新しい「好き」を重ね、これからも日々を紡いでいけたらと思っています。