一年の終わりに、感謝を込めて
あっという間に、2025年も終わりを迎えようとしています。今年一年、みなさんはどんな時間を過ごされたでしょうか。 私はというと、今年は「人との出会い」にたくさんの気づきをもらった一年でした。 これまでオンラインを通して、日々の暮らしや仕事、旅の途中で出会ったものたちを、文章と写真でお届けしてきました。ものの奥にある背景や、作り手の想いも含めて伝えたい。そんな気持ちで、ひとつひとつに向き合ってきました。 けれど、文字と写真だけでは、どうしても伝えきれないことがあります。たとえば、うつわの手触りや、光の入り方で変わる表情。それをどう感じるかは、人それぞれで、決まった答えがあるわけではありません。だからこそ、実際に手に取り、その人自身の感覚で、自由に愉しんでもらえたら。 そんな想いが、少しずつ強くなり、この秋、神楽坂の家を月に二度だけひらく、オープンデイを始めることにしました。 9月、はじめてオープンデイを開催した日のことは、今もよく覚えています。扉をひらく直前まで、少し落ち着かない気持ちでいたあの緊張感。けれど、足を運んでくださったみなさんと顔を合わせた瞬間、そんな気持ちは自然とほどけていきました。 うつわの盛りつけ方についてお話ししたり、一緒にうつわの表情や組み合わせを選んだり。ときには、神楽坂のすてきなお店を教えていただくこともありました。対面だからこそ会話も自然と広がり、オンラインでは見えていなかったことが、やり取りの中で次々と見えてきます。 11月には香りのブランドLunefの安藤明日生さんをお迎えし、自分だけの香りをつくるワークショップも開催しました。ひとつひとつの香りに静かに向き合い、好みや感覚など自分自身と対話する時間。その場に流れていた穏やかな空気も含めて、とても印象深いひとときでした。 そして12月には、はじめてPOP UPに参加しました。神楽坂を飛び出し、アメノイエをまだ知らない方々と出会う時間。いつもとは違う場所に身を置くことで、気持ちが自然と引き締まるような感覚がありました。 会場には、さまざまなジャンルのお店が集い、にぎやかであたたかな空気が流れていました。そんな場所で、たくさんの方が足を止めてアメノイエを知ってくださったこと。オープンデイでお会いした方が、立ち寄ってくださったこと。ひとつひとつが、うれしく、心に残る時間でした。 こうして振り返ると、いろんな出会いを重ねるたびに、視界が少しずつひらいていった一年でした。来年もまた、実際にお会いできる場を大切にしながら、アメノイエをひらいていきたいと思っています。 この一年、アメノイエに関わってくださったすべての方へ。心からの感謝の気持ちを込めて。どうぞ、よいお年をお迎えください。


「冨本大輔×ヤマセ製陶所」すり鉢






