春の光と、肌のゆらぎ
春は、光や風がやわらかくて、一番好きな季節。
窓を開けて新しい空気を吸い込むだけで、気持ちまでふっと軽くなるのを感じます。
けれどその一方で、私の肌は少しゆらぎ気味。
ふと頬に触れるといつもよりカサついていたり、昨日まで普通に使っていた洗顔料がピリついたり。
「肌が疲れているんだな」
そんな体からのサインを受け止めて、日々のスキンケアを一度見直してみることにしました。
食べるものを選ぶように
いろいろと探しているなかで出会ったのが、「石鹸屋りーふ」さんの和漢植物石鹸。
「食べるものを選ぶように、石鹸も選びたい」という想いから始まった、実直なものづくりに心惹かれました。
その想いの根底にあるのは、鈴木さんご自身が経験した、ある切実な日々。
当たり前に使っていた市販品が、ある時期を境に突然、からだに合わなくなってしまい、手のひらが真っ赤に腫れたり、お風呂上がりなのに痒みが引かなかったり…。
そんななかで、「自分のからだが安心できるものを」と自ら石鹸を手作りしてみたことが、きっかけだったそうです。
実は私も同じような経験があります。
気づかないうちに体調によって、添加物にからだが反応してしまうのでしょうか。そんな鈴木さんがかつて感じた違和感に、自分を強く重ねてしまいました。
毎日直接肌に触れるものだからこそ、その時々のからだの声を聞きながら、食べ物と同じ感覚で選びたい。
そんな当たり前でいて何より大切な原点に、私を立ち返らせてくれた気がします。
時間をかけて引き出す、植物の力
りーふさんの石鹸は、熱を加えない「コールドプロセス製法」で作られています。
あえて熱を加えず、一ヶ月以上もの時間をかけてじっくりと熟成させることで、天然油や和漢植物が持つ保湿成分を壊さず、そのまま閉じ込めることができるのだとか。
防腐剤や合成香料といった余計なものは一切使わず、品質や安全性にどこまでも真面目に向き合う。
そんなご自身の経験に裏打ちされた真っ直ぐな姿勢があるからこそ、揺らぎがちな敏感肌も、赤ちゃんの柔らかな肌も、安心して託すことができるのだと感じています。
「植物で洗うと、ずっと、いい。」
このキャッチコピーも、スッと心に入ってきました。
もともとアロマやハーブティーが好きで、植物の力を信じている私にとって、これはもう暮らしに取り入れない手はありません。
大人の肌に、濃紫
まず手に取ったのは、「濃紫(むらさき)」。
紫草の根である「紫根(シコン)」の力を宿した、高貴で深い色合いの石鹸です。
肌の生まれ変わりを健やかに整えてくれるという紫根は、大人の肌のエイジングケアにも心強い味方。
「エキゾチックな香り」って、一体どんな感じだろう。
期待を込めて泡立てると、立ち上ってきたのは、どこか懐かしくも凛とした匂い。
ベルガモットのすっきりとした爽やかさの奥に、フランキンセンスの静けさや、パチョリの深い土の気配がそっと重なっている。 アロマ好きにはたまらない、思わず深呼吸したくなるような奥深さです。
洗顔中、この香りに包まれる心地よさといったら。
日中の疲れで緊張したからだを、芯からほどいてくれるような安心感があります。
洗い流した後の肌は、まったくつっぱることなく、指が吸い付くようなしっとり感。
年齢を重ねていく自分の肌と付き合うのが、少し楽しみになるような頼もしさです。
初夏を待つ、目にも涼やかな「藍」
もう一つ、見た瞬間にすっかり心を奪われてしまったのが「藍」。
琉球藍が描く、深く静かな青色です。
これまでは季節限定だったそうですが、今年から定番になったと知り、さっそくわが家に迎えました。 ちょこんと洗面所に置かれているだけで、水回りの景色がすっと涼やかになります。
泡立てると、レモンを思わせるフレッシュな香りが心地よく広がります。
レモンマートルやレモンユーカリ、ベルガモットといった天然精油がブレンドされているからこその、目が覚めるような爽やかさ。
もっちりと潤う濃紫アルガンとはまた違い、こちらはキュッとさっぱりとした洗い上がりです。けれど不思議とつっぱることはなく、肌の水分と油分のバランスをすっきりと整えてくれるような感覚。
少しずつ汗ばむ日が増えてくるこれからの季節、間違いなく頼りになる存在です。
洗う時間は、自分との対話
枇杷葉(びわよう)にヨクイニン、生姜マヌカ……。
ずらりと並ぶ8種類の和漢植物シリーズを前に、「次はどれにしよう」と考えるのは、なんとも贅沢なひとときです。
今使っている石鹸が小さくなってきたら、季節の移ろいやその時の肌の調子に合わせて、また新しいものを迎える。そんなふうに、まずはひとつずつじっくりと試してみたい。
慌ただしい日々のなかで後回しにしがちな「自分との対話」を、やさしく導いてくれるりーふさんの石鹸は、これからの私の新しい定番になりそうです。

