旅立つ人へ贈りたいもの

旅立つ人へ贈りたいもの

やわらかな光と春の足音

三月になり、窓から差し込む光が少しずつやわらかくほどけていくように感じます。
家の窓から見える枝垂れ桜にもいつの間にかたくさんの蕾がつき、日に日にふっくらと膨らんでいく様子を眺めるのが、ここ最近のささやかな楽しみです。

そんな些細な変化に心が躍る季節ですが、この時期はどうしてもお別れが重なるもの。
長年お世話になった仕事仲間や友人が、遠くの街へ引っ越していくことになりました。
寂しさを堪え、新しい環境へと飛び出していく大切な人の門出には、心からのエールを込めてとっておきのものを贈りたい。
そんな気持ちが自然と湧いてくるのです。 

お世話になった仲間たちのこれからの暮らしを想像しながら、じっくりと贈り物を選びました。

 

光を楽しむ、はじまりのグラス

おうち時間が好きな会社の先輩にはグラスがよさそうです。 

刺激に満ちた毎日のなかで、ふと息をつきたくなるときもあるはず。
そんなとき、とびきりの一脚が傍らにあれば、きっと心を豊かに整えてくれると思うのです。

菊地大護さんのグラスは、淡いピンク色のやわらかなゆらぎが何よりの魅力。
窓から差し込む光を掬い取るようにして、テーブルの上に水面のような影を落とします。その景色は、眺めているだけで飽きることがありません。

 

食のプロたちに長年愛されている木村硝子店のグラスもいいですね。
直線的なフォルムが印象的な「ろーたす」は、どんな飲み物もすっと受け入れてくれるので、ワインはもちろん、アイスコーヒーやお茶、お水などにも。

 

洋梨のようなフォルムが可愛らしい「ぺあ」は、会社のおしゃれな先輩に選びました。
ステムが短いので普段使いしやすく、炭酸水やビールもぺあに注ぐだけでいつもと少し違った雰囲気に。パフェを入れても楽しめる、個性的ながらも万能なグラスなのです。

あの人にはこの形が似合うかなと、贈る相手の顔を思い浮かべながら選ぶひととき。
お別れは寂しいけれど、新しい暮らしに寄り添う姿を想像すると、自然とあたたかい気持ちになれますね。

 

香りと手触りを贈る

お世話になった取引先の方には、ハンドソープとハンドタオルのセットを。 実用的ながらも日常の質を変えてくれる、kibnのハンドソープと、kontexのワッフルタオルの組み合わせです。

自然をたっぷり感じられるkibnの香りが好きで、よく贈り物に選ぶアイテム。樹木やハーブの中にほんのりとさわやかな柑橘が香り、男性にも女性にも喜んでいただくことが多いです。

 

合わせたのは、kontexのワッフルハンドタオル。
大きめな凹凸がやさしく手になじみ、使うほどにふんわりと柔らかさが増していく、私のお気に入りのタオルです。

毎日の何気ない手洗いが、つい深呼吸したくなるような時間へと変わる。
新しい環境のなかでも、肩の力を抜くきっかけになってほしいなと思います。

 

花を一輪、暮らしの景色に

親しい友人には、新見和也さんの花器を贈ろうと決めていました。 

引越しをしたばかりの部屋というのは、ダンボールが片付いても、どこかよそよそしくて落ち着かないもの。
そんなまだ慣れない空間の緊張を少しでもやわらげてほしくて、彼女が好きなドライフラワーを一輪挿して手渡すつもりです。

忙しい新生活のなかでも、ふと目と合った瞬間に、張り詰めた気持ちがふわりとほどけていく。 新しい部屋の片隅で、彼女の毎日を静かに見守ってくれる存在になってくれたら嬉しいです。

 

贈りものを包みながら

彼らとの思い出を振り返りながら、ひとつひとつ丁寧に包む時間。
これから慣れない環境で少し疲れたとき、これらの道具がふっと息をつくきっかけになってくれたら。

グラスで一息つく夜。
手を洗うときの心地。
一輪の花を眺めるゆったりとした時間。

そんな小さな時間が、新しい暮らしのなかに生まれたら嬉しいですね。

お別れではなく、また会う日まで。
「新しい土地でもあなたらしく」という想いを込めて。